「後になって、やっぱり仲介に入りたい、なんて仰る業者さんもいるもので、御社の立場をはっきりと確認しておきたいのです」
幼稚園の借地権購入のお手伝いをさせていただいています。
借地権者の方についている不動産業者J社さん。
J社さんとしては、今回の借地権売買を両手取引で行いたいようです。
普通に考えれば、借地権側(売主)にJ社さん、幼稚園側(買主)に弊社が仲介に入ることになるのですが、こちらに仲介から身を引いてもらいたいようです。
通常ならば、そんな話を呑む必要は無いのですが、今回は悩みどころ。
J社さんがそのような強気なことを要求してきたのは、今回の幼稚園との借地売買契約を壊したい、という意図があるのかも知れません。
もしも、幼稚園との借地売買契約が決裂した場合、J社さんとしては他に借地権の買主を探すことになります。
今回、借地権者さんは、ご好意で幼稚園に借地権を安く売ってくれることになっています。
幼稚園以外の方が買主ならば、もっと高く売れるのです。
更に言えば、地主さんを説得すれば、借地権物件ではなく、所有権物件として第三者に売却することも可能です。
J社さんとしては、そちらの方が収益がずっと大きくなるため、進行中の幼稚園との話は壊れた方が良い、と思っていても不思議ではありません。
私が無理に幼稚園側の仲介に入ろうとすると、幼稚園が借地権を購入できなくなる可能性が高まるのです。
幼稚園とは継続的なコンサル契約を結んでいただいているので、それは困る。
J社さんには今回の借地権売買の仲介には入らない代わりに、しっかり幼稚園との借地権売買契約をまとめてもらうことを約束してもらいました。
でも、もし、幼稚園が借地権を購入できなかった場合には関係なくなります。
その場合には仲介に入れるように、高く買ってくれそうな、主だった建売業者さんには水面下で持ち込んでおきました。
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