「やっぱり、財産の内容も知らせないとダメですかね。父が亡くなったことだけ知らせば良くないですか?」
最近、お父様が亡くなったNさん。
相続人はNさんと弟さんの二人だけです。
遺言には「全て財産はNさんに相続させる」と書かれています。
もちろん、この遺言は弟さんの遺留分を侵害しています。
ただ、5年前に弟さんは「もう連絡を取らないでくれ」と言い残したっきり、一切連絡を取っていないとのこと。
「どうせ、弟に連絡しても反応無いと思うんですが、案外財産があることを知ったら気が変わるかも知れませんよね。」
仰る通り、弟さんの状況によっては、遺留分の請求をしてくることは十分にあり得ます。
「放っておいたら遺留分の話も時効になるんですよね?」
確かに、遺留分減殺請求は1年で時効にかかります。
でも、それは相続人が遺留分を侵害されたことを知ってから1年。
遺留分が侵害されたことを知らせるには、財産内容を知らせなければなりません。
もし、財産内容を知らせずに、お父様が亡くなった事実だけを伝えた場合、相続発生時から10年になります。
10年間請求されるんじゃないか、と気になり続けるというのも幸せな状態ではありません。
見せるが勝ちです。
遺留分の請求をされたらその分支払っちゃいましょう。
「そうですよね。それでお願いします」
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