不動産コンサルティングとは?依頼できる内容
不動産コンサルティングでは、不動産の購入や売却、相続対策、市場調査など、さまざまな相談や依頼が可能です。
まずは、不動産コンサルティングの概要や依頼できる内容について見ていきましょう。
依頼できる内容 | ・不動産の購入・売却、土地・建物の活用、相続対策、貸家・貸地の整理、複数権利者の権利調整などに関する相談・アドバイス |
メリット | ・市場調査などの手間や時間を省くことができる・建築会社などとのトラブルも対応してもらえる・専門家からの提案で最大限の利益が期待できる・大きな損失を避けることができる |
デメリット | ・相談費用が高くなることがある・不動産詐欺業者に当たることがある・コンサルティングの結果が上手くいかないこともある |
こんな人におすすめ | ・不動産の選定にかかる時間や手間を省きたい人・不動産での失敗リスクを軽減したい人・専門家の力を借りてトラブルを解決したい人 |
料金相場 | ・顧問契約型:年間約10万円(月1回訪問)・時間報酬型:約5000円/時間・成果報酬型:売買価格の5%〜15%程度(不動産売買の場合) |
報酬体系 | ・顧問契約型・時間報酬型・成果報酬型 |
怪しい?不動産コンサルティングとは?
不動産コンサルティングとは、不動産の取得、管理、活用、処分などに関するアドバイスを行い、不動産に関する疑問や悩みを解決する仕事です。宅地建物取引士や不動産鑑定士、一級建築士などの資格を持ち、不動産コンサルティングマスターとして国土交通大臣の認定を受けた専門家が、専門的な知識にもとづいてサポートを行います。
相談者は専門家の意見を参考にすることで、より適切な判断ができる可能性があります。
不動産コンサルティングで依頼できる内容
不動産コンサルティングで依頼できる主な内容は、以下のとおりです。
仕事 | 主な内容 |
不動産の購入・売却 | ・不動産の購入や売却において、物件選びやタイミングに関するアドバイス・競売物件の取得や任意売却に関するサポート |
土地・建物の活用 | ・活用されていない土地や建物に対する企画や提案(駐車場経営、マンション経営など) |
不動産の相続対策 | ・相続税軽減を目的とした不動産活用や資産の組み換えなどを提案 |
貸家・貸地の整理 | ・借地権者による底地買い取りや隣地所有者へ売却などを提案 |
複数権利者の権利調整 | ・借地人や借家人など複数権利者の権利関係の整理 |
市場調査や分析 | ・不動産の市場動向や賃貸相場などの調査・分析 |
不動産コンサルティングを利用するメリット
ここでは、不動産コンサルティングを利用するメリットについて詳しく解説します。
市場調査などの手間や時間を省くことができる
不動産コンサルティングに市場調査や物件の選定を依頼することで、手間や時間を省くことができます。
情報を一から収集し、ニーズに合った物件を選ぶのは大変ですが、コンサルタントに希望する市場調査や物件の条件を伝えれば、専門知識をもとに対応してくれます。
仕事でまとまった時間を確保するのが難しい場合でも安心です。
建築会社などとのトラブルも対応してもらえる
不動産コンサルティングは、権利者や業者、入居者などとの間でトラブルが発生した場合に、仲介や調整を依頼でき、法律などの専門知識を活かして解決策を提案します。
これにより、トラブルの解決が期待でき、物事をスムーズに進めることができます。
専門家からの提案で最大限の利益が期待できる
不動産コンサルティングは、不動産や金融に関する豊富な知識とノウハウを持つ専門家です。
その専門家から、不動産の売却方法やタイミング、収益物件の選び方や空室対策、資産の活用方法についてのアドバイスを受けられるため、利益の最大化が期待できます。
効率的な資産運用が可能になるでしょう。
大きな損失を避けることができる
特に投資初心者は、知識や経験が不足していて冷静かつ適切な判断が難しいため、大きな損失を被るリスクがあります。
不動産コンサルティングを利用することで、専門的な知識にもとづいた客観的なアドバイスを受けられるため、リスク管理がしやすくなります。例えば、物件選びや売却タイミングについて適切な判断ができるようになり、大きな損失を避けることが可能です。
不動産コンサルティングを利用するデメリットと注意点
不動産コンサルティングを利用するメリットだけでなく、デメリットや注意点も把握しておくことが大切です。ここでは、デメリットと注意点について見ていきましょう。
相談費用が高くなることがある
不動産コンサルティングのデメリットは、相談費用が高額な場合があることです。
相談内容や料金体系などによって異なりますが、10万円以上かかるケースもあります。予算を超えないようにするためには、事前に費用を確認することが大切です。
また、複数の不動産コンサルティングを比較することで、高額なサービスを避けることができます。
不動産詐欺業者に当たることがある
一部には、悪質な不動産詐欺業者も存在します。こうした悪徳業者に当たると、役に立たない情報を提供されて誤った判断をしやすくなるだけでなく、割高な費用を請求される可能性があるため注意が必要です。
不動産詐欺業者を避けるためには、不動産コンサルティングマスターの資格を持っているか、費用が適正か、口コミや評判が良いかなどを確認しましょう。
コンサルティングの結果が上手くいかないこともある
専門家からアドバイスやサポートを受けたとしても、良い結果が得られるとは限りません。
専門的な情報やアドバイスを受けることができますが、100%正しいとは限りません。成功の可能性を高めることはできますが、市場の状況は常に変化しています。また、最終的な判断を下すのは相談者自身です。
専門家のアドバイス内容に対しても疑問を持ち、広い視野で総合的に判断することが大切です。
不動産コンサルティングの依頼はこんな人におすすめ
不動産コンサルティングがおすすめなのは、次のような人です。
・不動産の選定にかかる時間や手間を省きたい人
・不動産での失敗リスクを軽減したい人
・専門家の力を借りてトラブルを解決したい人
不動産コンサルティングに相談すれば、条件に合った物件を選定してもらえます。さらに、市場動向やリスク対策についてのアドバイスを受けることで、不動産投資などの失敗リスクを軽減することが可能です。
また、入居者や業者とのトラブルが発生した場合には、仲介や調整を行い、問題を解決してくれます。
不動産コンサルティングの料金相場
不動産コンサルティングの料金は、会社や相談内容によって異なります。例えば、時間報酬型の場合、1時間あたり約5000円が相場です。また、顧問契約の場合は、月1回の相談や訪問で年間約10万円が相場となります。成果報酬の場合、不動産売買では売買価格の5%〜15%程度が相場となります。
料金を公表していない不動産コンサルティング会社も多いため、直接問い合わせて確認することをおすすめします。
報酬体系をチェック!不動産コンサルティングを依頼する会社の選び方
不動産コンサルティング会社を選ぶ際には、報酬体系、個人か大手会社か、ニーズと得意分野の一致などを考慮することが大切です。
これらを事前に把握することで、自分に最適な不動産コンサルティングを選ぶことができます。
報酬体系で選ぶ
不動産コンサルティング会社を選ぶ際には、報酬体系を確認することが大切です。報酬体系を確認することで、予算に合ったコンサルティングサービスを選び、余計な支出を避けることができます。
不動産コンサルティングの報酬体系とそのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
顧問契約型 | 時間報酬型 | 成果報酬型 | |
内容 | 顧問契約を結び、定期的に相談・アドバイスを受ける | 「1時間5000円」など、相談時間に応じて報酬が発生する | 成果に対して報酬が発生する |
メリット | ・必要な際に迅速に対応してもらえる・さまざまな相談が可能 | ・予算が超えることを回避できる・必要なときだけ利用できる | ・成果が出なかった場合は報酬は発生しない |
デメリット | ・短期間での契約解除は難しい | ・相談内容によって報酬額が異なる | ・成果の基準がわかりづらい場合がある・高額な報酬が発生する場合がある |
おすすめの人 | ・定期的に相談したい人・予算に余裕がある人 | ・単発の案件を相談したい人・予算に限りがある人 | ・成果にこだわりたい人・具体的な成果を達成したい人 |
個人か大手会社のどちらかで選ぶ
不動産コンサルティングを選ぶ際には、個人か大手会社か確認することが大切です。個人だと比較的柔軟な対応ができ、大手会社だと幅広い課題に対応が可能です。
それぞれで特徴が異なるため、自分に合った選択をすることで、より良い結果が期待できます。メリットとデメリットは、以下のとおりです。
個人 | 大手会社 | |
メリット | ・比較的費用が安い・柔軟な対応が可能 | ・幅広い課題に対応できる・社内教育により一定の知識や対応が保証されている |
デメリット | ・相談内容や対応できる範囲が限られる場合がある | ・費用が高額になることがある・担当者が途中で変わる可能性がある |
おすすめの人 | ・予算を抑えたい人 | ・複雑な問題を相談したい人 |
ニーズとコンサル会社の得意分野が合っているかチェック
不動産コンサルティングを選ぶ際には、自分のニーズとコンサルティング会社の得意分野が一致しているか確認することが大切です。
相談内容と得意分野が合致していれば、的確なアドバイスや提案が受けられるため、良い結果が期待できます。
一方、ニーズと得意分野が合わない場合は、適切なアドバイスが得られず、失敗のリスクが高まる可能性があるため注意が必要です。
大手不動産コンサルティング会社のおすすめランキング5選
ここでは、おすすめの不動産コンサルティング会社を紹介します。
コンサルティング会社を選ぶ際の参考にしてください。
株式会社浜伸
【おすすめポイント・特徴】
・横浜と川崎エリアを中心にサービスを展開
・相続や土地活用に関するコンサルティングにも対応
・30年以上の豊富な実績を持つ
株式会社浜伸は、創業30年以上の実績を持ち、横浜と川崎エリアを中心にコンサルティングを行っています。相続、借地権などの不動産活用や税制対策などにも対応し、売買仲介や管理アドバイスも可能です。また、空き家対策に関する相談も受け付けています。
横浜や川崎の不動産に関する相続や土地活用について、専門家からアドバイスを受けたい方におすすめの会社です。
料金の目安 | ー |
報酬体系 | ー |
得意分野 | 相続、土地活用、売買 |
対応できる内容 | 相続、土地活用、売買、賃貸、管理など |
株式会社末広不動産
【おすすめポイント・特徴】
・不動産売買、賃貸、相続などのサービスを提供
・現地見学に同行するコンサルティングサービスも実施
・料金は比較的安価で明瞭
株式会社末広不動産の不動産コンサルティングサービスには、物件の長所や短所をアドバイスする「現地見学同行」、売却理由や周辺環境を調査する「不動産調査報告」、不利な条件での契約を防ぐ「契約書チェック」などがあります。
不動産購入時に専門家のアドバイスを受けたい人におすすめです。
料金の目安 | 見学同行1日3万円不動産調査5万〜10万円 |
報酬体系 | 時間報酬型 |
得意分野 | 不動産売買 |
対応できる内容 | 現地見学同行、調査報告、契約書チェックなど |
リーシング・マネジメント・コンサルティング株式会社
【おすすめポイント・特徴】
・低稼働物件に関するコンサル実績が豊富
・市場調査や競合物件の調査・分析も対応
・テナントのデューデリジェンスにも対応
リーシング・マネジメント・コンサルティング株式会社は、主に不動産投資物件のコンサルティングを行っており、低稼働物件に関する実績は数千棟に上ります。また、市場調査や競合物件の調査も行っており、投資用物件の選定に関する相談も可能です。
これから不動産投資を始めようとしている人や、運用がうまくいっていない人に特におすすめです。
料金の目安 | ー |
報酬体系 | ー |
得意分野 | 不動産投資、賃貸管理 |
対応できる内容 | 不動産投資、賃貸管理、市場調査 |
株式会社新日本コンサルティング
【おすすめポイント・特徴】
・不動産投資に関する総合コンサルティングを提供
・定期的に不動産投資セミナーを開催
・創業20年の実績を持つ
新日本コンサルティングは、東京、千葉、埼玉、神奈川をメインに、不動産投資の物件や総合コンサルティングを提供しています。20年の実績を持ち、賃貸管理に関するノウハウも豊富です。これまでに200回以上の不動産投資セミナーを開催しており、融資承認率90%以上を実現しています。
特に「条件に合った不動産投資物件を探して欲しい」という人におすすめです。
料金の目安 | ー |
報酬体系 | ー |
得意分野 | 不動産投資、賃貸管理 |
対応できる内容 | 不動産投資、賃貸管理、リフォーム、原状回復など |
山田コンサルティンググループ株式会社
【おすすめポイント・特徴】
・不動産に関する幅広いコンサルティングが可能
・東証プライム市場の上場企業
・東京、千葉、埼玉、神奈川を中心にサービスを提供
山田コンサルティンググループ株式会社は、相続した換金性・流動性の低い不動産(底地など)や築古物件、共有不動産の資金化をサポートしています。また、収益改善や不動産売却、土地や建物の有効活用、賃貸管理など幅広く対応しています。
不動産相続に関する問題で困っている人におすすめです。
料金の目安 | 売買仲介や物納は「成約価格×3%+6万円+消費税」 |
報酬体系 | 案件ごとに打ち合わせをして決定 |
得意分野 | 市場調査・分析、貸家・貸地の整理、不動産活用 |
対応できる内容 | 相続、不動産有効活用、売買、賃貸管理、貸家・貸地の整理など |
不動産コンサルティングに関する疑問を解決
不動産コンサルティングは、有効的に活用できれば資産運用の助けになってくれます。
一方で「まだよくわからないので頼めない」と感じる方もいるかも知れません。
そこで不動産コンサルティングに関して、よくある質問をまとめました。
.不動産コンサルティングでは、どのような資格や経歴を持つ人が業務に取り組んでいるのですか?
不動産コンサルティングを始めるにあたって資格は必要ありません。不動産に関する資格というと宅地建物取引士が思い浮かぶ方も多いでしょうが、不動産会社の社員が全員この資格を所有しているわけではありません。あくまで不動産のコンサルティングを行うだけであれば、資格は不要です。
一方で、「公認 不動産コンサルティングマスター」という民間の認定資格もあります。これは民間の資格ながら合格者は国土交通省に登録されており、国家資格に近い性質があります。
また登録のためには「宅地建物取引士」「不動産鑑定士」「1級建築士」のいずれかを有し、不動産会社で5年以上の勤務経験があり、その上で試験に合格する必要があります。
専門的な不動産の知識と経験があることの裏付けとも言える登録制度なので、「公認 不動産コンサルティングマスター」登録者にコンサルを頼むのもよいでしょう。
処理型不動産コンサルティングとはどんなことを行いますか?
資産運用のための不動産コンサルティングだけではなく、不動産に絡む各種の権利の整理、 そしてまた関係各所との調整などを主な目的とした不動産コンサルティングのことを処理型 不動産コンサルティングと呼びます。
例えば 権利者が複数いる不動産の持分の整理、 また借地権など 複雑な権利関係の不動産の権利の整理や活用の提案、また抵当権が設定された不動産担保の売却など、運用だけではない整理や処理を行ってくれます。遺産の公平な分割などにもよく活用されます。
不動産コンサルティングに無料で相談することはできますか?
地域により、不動産コンサルティング協会などがこれから不動産投資を始めたり、遺産の活用や整理をしたい方のために 無料相談 大会を実施していることがあります。
地域の会議室などを借りて 不動産コンサルティングについて気軽に相談することができるため、コンサルティングをして行くといった始め方も可能です。
まずは自分の地元の不動産コンサルティング協会などに聞いてみても良いでしょう。
また不動産コンサルティングを営む 不動産会社でも無料相談を受け付けていることがありますので こちらも活用してみると良いです。
自分のニーズに合う不動産コンサルティング会社を選ぼう
不動産コンサルティングは、個人、法人問わず不動産運用の手助けをしてくれる役割を持っています。市場調査や建築会社との交渉など、面倒な手続きや作業も委託できるので、時間を節約しながら不動産のプロの見地を得たいという人に向いています。
これから不動産投資を始めたいという投資初心者の方がリスクを避けるために不動産コンサルティングを活用しても良いですし、ある程度不動産投資に慣れてきており効率的に不動産投資を拡張していきたいという方も十分活用の余地があります。そのため、様々なシーンにおいて不動産コンサルティング活用の機会はあります。
年間報酬契約や時間報酬契約など会社により報酬形態も違ってくるので、まず試してみたい方は時間報酬型の会社を探したり、定期的なアドバイザーとして活用したい方は年間報酬型を探すなど、自分の不動産投資のスタイルに合わせて活用していくと良いでしょう。
無料相談に応じてくれる会社もあるので、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
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